政治、経済、文化、その他のあらゆる分野に於いての中心地は紛れもなく東京(又は首都圏)であり、全国の地方都市は常に東京(又は東京圏)へのベクトルが向いております。又、それらの地方都市の評価基準として東京(又は東京圏)とのアクセスの充実度(運行本数、便数など)を踏まえた上、更に所要時間も大きな比重を占めています。

当地(庄内地方)は約30万人の人口を擁するエリアであるにも関わらず、一昔前までは「庄内島」とも表現されるような陸の孤島であり、交通関係のインフラの整備が脆弱な地域でしたが、近年、関係者の方々の並々ならぬご尽力に拠って東京(又は東京圏)との高速交通手段を主軸に見据えた整備が着々と行われ、結果、「庄内空港での夜間駐機の実施」、「山形新幹線が新庄駅まで延伸」、「山形自動車道が山形中央JCTまで完全二車線化」、「山形自動車道が月山ICまで延伸」などが実行されて現在に至っており、当地(庄内地方)や本県の高速交通手段は成熟の域に達しました。


《航空に関する一考察》 《鉄道に関する一考察》
《鉄道ルートにおける一考察(山形新幹線編)》  《羽越線(白新線)の新潟駅に於ける橋上化》



航空に関する一考察

 当地(庄内地方)の最寄りの空港は「庄内空港」になりますが、意外にも知名度は低く、嘗て岡山からご夫婦でお越しになられたお客様が「庄内空港」の存在を知らずに「山形空港」経由で当地にお越しになられようとしたことがありました。又、これは管理人の親族の話ですが、名古屋から当地(庄内地方)に初めて来た時に「山形空港」に降り立ち、タクシーで「鶴岡市まで!。」とお願いをしたら、「タクシーが山岳道路(R112)に入って行って何処に連れて行かれるのかと恐怖を感じた…。」などと云う話もありました。

 何れも山形県の地理関係を事前に把握していれば発生し得ない話であります。そのような訳で空路にて当地へお越しになられる際は旧羽黒町は勿論、鶴岡市酒田市へのアクセスも至便な「庄内空港」のご利用が最善です。一方、「山形空港」についての詳細は後述しますが、「山形空港」は山形市の空港と云うよりも山形市の北に位置する天童市の更に北に位置する東根市と云う場所の果樹畑の一角にあり、又、その果樹畑に点在している工場や東根市の周辺工業団地の為に存在しているような空港です。これらの状況を知らずに一般の方が空港の名称から『「山形空港」が山形県の空港である。』などと思い込んで「山形空港」に降り立った場合、そこから先の市街地(※主として山形市)へのアクセスの悪さに辟易とされることでしょう。
因みにあまりにも「山形空港」の利用者が少ない為に山形市内までの路線バスが廃止に為りました。拠って一般の方々が「山形空港」をご利用される事はお奨め出来ません

 特に関西圏、九州圏などから
空路をご利用されて山形市内にお越しの場合であれば路線数や便数の豊富な「仙台空港」をご利用された方が無難です。その場合は仙台空港アクセス鉄道にご乗車をされ…

 ★山寺であれば仙台駅から仙山線に乗り換えて山寺駅のルート
 ★山形市内であれば「仙台駅⇔山形市内」の高速バス」でのルート
 ★冬季の蔵王温泉であれば「仙台空港⇔蔵王温泉」のルート

…が便利です、結論から申し上げて「仙台空港」「山形空港」に比べて発着便数が桁外れに多く、機種も大きく、事前割引運賃などで提供される座席数も多いので圧倒的に「仙台空港」を利用された方が便利です。
 
仙台空港直結の仙台空港駅での仙台空港アクセス鉄道


ボーイング767(300型機・ANA898便)
〜庄内空港に隣接のオートキャンプ場から撮影〜

全ての便に於いて常に70l前後の搭乗率で賑わう「東京(羽田)⇔庄内便」、これは鉄道でしか当地(庄内地方)と首都圏との往来する術(すべ)が無かった時代、当地(庄内地方)の誰もがその4時間〜4時間30分にも渡る乗車時間や理不尽なルート…等々に耐えてきました。

具体的には、東北、長野新幹線に比べて格下の上越新幹線は運行本数が少なく、必然、停車駅が多く、表定速度の遅いのが欠点とされておりますが、それに加え、わざわざ遠廻りな新潟駅を経由するルートに対する当地(庄内地方)の人々の不満、乗り心地の悪い羽越線の旧式車輌に対する不満、最大の後背地が当地(庄内地方)であるにも関わらず、新潟県下越地方の人口の少ない地域の駅(※豊栄、中条、坂町、府屋)にも特急列車が停車することに因るタイムロスに対する不満、新潟駅での面倒な乗り換えに対する不満…等々に対する当地(庄内地方)の人達の鬱憤(うっぷん)の反作用が、今日の「庄内⇔東京便」の搭乗率の高さに大きく寄与しているように見受けられます。


この「東京(羽田)⇔庄内便」があるが故に当地(庄内地方)から午前中に北海道、四国、九州、沖縄などへも到達出来、同時にそれらの地域を夕刻に発ってもその日の内に戻って来ることが充分に可能と為り、「庄内島」の汚名を返上することが出来るように為りました。

 世間一般に於いて「庄内空港」の存在は馴染みが薄いであろうと思われるのですが、当地(庄内地方)に住む者にとって上京の際に鉄道で4時間〜4時間30分もの時間を費やして首都圏に向かう現況に対して辟易と感じてている人も多く、又、将来的に「羽越線の高速化」や「山形新幹線の庄内延伸」を考えても、“快速タイプ”と称されている特別に停車駅の少ない列車や新幹線に接続する列車であれば3時間30分程度で当地(庄内地方)と首都圏との移動が可能であるとされておりますが、全ての列車に於いては無理な事で、殆どは4時間〜4時間30分という時間を要することに為ります。このような事から当地(庄内地方)に於いては、鉄路への依存度よりも空路に於ける「庄内空港」に対する依存度の方が高く、又、近年、鉄路に於いては「山形新幹線」を利用する傾向が強く為ってきました…。とはいえ、高額な航空運賃に尻込みをしつつも迅速、且つ快適に首都圏との往来が出来る空路を選択される方々が多いように見受けられます。又、同時に「庄内⇔東京(羽田)便」を利用すれば羽田空港を経由して全国の都市ともアクセスが至便でもあります。

 「東京(羽田)⇔庄内便」の路線は首都圏から観光で訪れる人が利用すると云うケースよりも、当地に居を構える人がビジネスや私用で利用するケース、首都圏に居を構える人がビジネスや私用で来庄する際に利用するケース…の利用頻度が高いのが特徴と謂われており、これはANAにとって、旅行代理店などを通して販売される「団体割引航空券」に依存する比率の低い収益率の高い路線であると云う事を意味しております。

 朝一番に羽田空港を飛び立つ7:10の便(ANA893便)に搭乗すれば8:10には「庄内空港」に到着する事が出来ます。これは当日に首都圏を出発をして最も早い時間に到着出来る山形県の地が当地(庄内地方)である事を意味しております。一方、当地(庄内地方)から首都圏へ向けては前日の最終便の機材が「庄内空港」に夜間駐機をしております、これが翌朝に折り返しで朝一番の7:10に「庄内空港」を飛び立って「羽田空港」には8:10に到着します。このように(当日に首都圏を出発をして)山形県から最も早い時間に首都圏とを往来することの出来るのがを擁するこの当地(庄内地方)なのであり、又、最も早い時間に首都圏に到着出来るのが当地(庄内地方)です。

 ただ、この「庄内⇔東京(羽田)便」の難点を挙げれば、ANAの単独運航路線であることから“価格競争”なるものがありませんので、距離辺りの運賃が比較的に高額であり、特に多客期である夏期(7〜8月)に於ける割引運賃などは割引率が渋いのが実状です。将来的にはSKYなどが、この「庄内⇔東京(羽田)便」に参入されるのが期待されますが、「庄内空港」の周辺人口、ビジネス需要、観光需要などの観点から現行の4往復以上の運航は共倒れになる可能性が高く、厳しいとされております。理想的であるとされているのは「庄内空港」での夜間駐機を維持しつつもANAを一往復減便して三往復に変更、その間の時間帯を埋めるような時間帯にSKYなどを二往復程度、新設するのが望ましいとされております。又、空路での当地(庄内地方)と関西圏との連携の強化策としてビジネスとしても開拓可能な「大阪(伊丹)⇔庄内便」を中型のプロペラ機(DHC−8−400)などで朝夕の2往復運航を実現させる方向での運動が展開されておりますが、実現は厳しいとされております。

 「庄内⇔東京(羽田)便」が活況を呈している最大の理由としては「庄内空港」で“夜間駐機”が行われるように為った事により、(特に庄内地方にとっては)飛躍的に利便性が高まったことが大きな要因と謂えるでしょう。これを機に「庄内空港」は名実伴に首都圏と当地(庄内地方)を結ぶ主たる移動手段と為り、同時に鉄道での移動手段、特に「羽越線&上越新幹線ルート」はマイナーな移動手段へと為りました。管理人も上京の際には専らに空路を利用しております。又、「羽田空港」に更なる国際線が就航する事に拠り「庄内空港」のように終日「羽田空港」への便が発着する国内の空港は、そのまま海外への大きなゲートウェイを持つ事と同じ意味を為します。

 かねてより
「国際空港」「国際線も就航しているに過ぎない空港の境界が曖昧に為っているようにも思えますが、平成20年に全国ニュースで“外国資本に拠る空港ビルの株式占有について重要事項の議決権を行使されないように株式の所有を三分の一以下にすると云うような制限を加えるべきか否か…”との問題が報じられました。その際に政府が“国策上、一定の制限を加えるべき空港”として挙げたのは「羽田空港」、「成田空港」、「中部国際空港」、「関西国際空港」の四空港でした。この論議の是非はともかくとして、裏を返せば、これらの四空港が「国際空港」として政府が認知している空港であり、その他の空港で国際便が就航している空港は「多額の助成金を捻出して何とか国際線を定期就航して貰っているに過ぎない空港」が多いと謂えます。つまり、政府としてはこれらの四空港以外の全ての空港は「国際空港」とは謂えない空港であると意志表示を行った事に為るでしょう。

 さて、話は「山形空港」に為りますが、平成19年3月18日、宮城県はJR東日本などとの共同出資で建設を行っていた
「仙台駅⇔仙台空港駅」の区間のアクセス鉄道が開業しましたが、当時の山形県知事は宮城県知事からの要請でこのアクセス鉄道の負担金として5,000万円の出資を強いられました。これに依って山形県はせめてもの見返りとして宮城県に要望していた仙山線経由での「山形駅⇔仙台空港駅」の直通列車の運行も期待されたのですが実現しておりません。これに対して山形県知事は宮城県知事に抗議を表明するかと思われましたが、そもそも山形県と宮城県はパワーバランスから観ても対等な関係ではありませんので特に目立った抗議を行う事は出来ませんでした。このような背景があるからなのでしょうか、「仙台空港アクセス鉄道」が開通した際に当時の山形県知事は平静を装いながら「国際線は仙台空港、国内線は山形空港を利用しましょう!。」などと非常に苦しい弁明を行い、居合わせた記者団や県民からは失笑が漏れました。

 実は山形県は当地(庄内地方)以外の殆ど全てのエリアに於いて国内線の利用者も「仙台空港」に流れているのが実状です。但し、「仙台空港」を発着する国際線に目を向けてみた場合、安定的なビジネス需要よりも不安定な観光需要が多く、その大半は“3泊4日で6〜8万円程度のパックツアー”に限られているようです。因みに“「仙台空港」を発着する国際線就航路線”…と云っても、実際は香港、韓国、中国、グアムなどのように近距離の観光主体のアジア方面を中心としたレジャー路線に限られる為、それ以外の海外へと出掛ける場合などは「仙台空港⇔成田空港便(※朝夕2往復が運航)」を利用するか、又は従来通りに山形新幹線などで東京に向かい、そこから成田空港に向かうケースが多いようです…。何はともあれ、
山形県民、とりわけ内陸地方の方々が最も多く「仙台空港」を利用するのは国内線ですので「山形空港」の利用者離れには歯止めが利かない状況下にあり、当然、他県からお越しの方も「仙台空港」を利用する傾向が強まってきております

 「仙台空港」は「国内線の就航便数が豊富」、「就航路線が豊富」、「就航機材が山形空港に就航している機材(機種)よりも大型(※各種の割引航空運賃で提供される座席数が多い)」、「海外に出掛ける際も“仙台空港⇔成田便”が朝夕の2往復も就航しているので便利」、「有料ではあるものの「仙台空港」の周辺にはセキュリティが万全な民間駐車場が多い」、「空港の諸設備(レストラン、売店、金融の出先機関)がある」、「全てに於いて「仙台空港」「山形空港」と比較して設備が充実している」、「SKYやピーチなどの格安航空会社就航している」などから、山形市や山形市圏内に住んでいる人の旅行や企業の出張などの殆どが「仙台空港」の利用にシフトしており、一時期は70万人を越える年間利用者数を誇った「山形空港」も、現在は10万人前後です。因みに管理人が当地(庄内地方)から「仙台空港」に向かう場合、それは往々にして海外に出掛けるようなケースの場合ですが、その際は「庄内地方〜一般道(R112)〜月山IC(又は西川IC)〜山形自動車道〜村田JCT〜東北自動車道〜仙台南IC〜一般道〜仙台空港」のルートを辿ります。

 このように山形県内に於いて「山形空港」よりも「仙台空港」がクローズアップされている理由に関して不思議に思われるかもしれませんが、それは「山形空港」は山形市に在るのではなく、そこから遠く離れた東根市と云うところに在る事に起因しております。通常、山形市から「山形空港」までのルートは一般道では「山形市〜R13〜天童市〜R13〜東根市〜山形空港」、高速道路を利用する場合は「山形市〜R13〜山形北IC〜山形自動車道〜山形中央JCT〜東北中央縦貫自動車道〜東根IC〜山形空港」と云うルートに為ります。前者で約50〜60分、後者でも40〜50分程度の時間を要しますので、結果、多くの利用者は山形市内から1時間前後の場所に在る「仙台空港」へと流れる傾向に有ります。

 山形県に在住する管理人としては旅行業の有資格者としての立場からも「山形空港」の利用を啓発すべき立場にはあるのですが、一般の方々の利便性から空路での来県を考慮した場合、残念ながら「山形空港」には、何らアドバンテージ的な要素が無い事に改めて気付かされ、同時に山形市圏内に於いては「山形空港」よりも「仙台空港」の利用者が多い事を痛感させられます。


「山形空港」は利用価値の薄い空港ですが、地理的には山形県のほぼ中央部にあることから、山形県の防災ヘリコプターの部隊が駐屯しており、県内の山岳で登山者や山菜の採取などで山へ入って行った方々が遭難や大怪我を負った時、又、離島(飛島)などで急病人が発生した場合など、県内の全てのエリアに30分前後で駆け付ける事が可能と為っており、そのような防災上の観点からは大変に重要な空港です。又、この空港の存在を前提に誘致した企業や工場などが周辺に点在しており、「山形空港」を廃港にする事はこれらの企業や工場などの撤退に弾みが付いてしまうとも予測されており、雇用確保の観点からも維持すべきとも謂われております。

このように
今後の「山形空港」は「民間空港」としてではなく「防災空港」、「企業空港」、「有事の際の国防空港」としての役目を負うべき空港とされておりますが、例えば、電子部品(半導体)の輸送の為という理由で「山形⇔東京便」の路線維持に対する多額の補助金の支出には多くの県民が疑問を抱いているのが実状です。



鉄道に関する一考察(※「2014年問題」を含む)

 管理人が学生時代であった当時、今のように「庄内空港」「山形新幹線」などはありませんでしたのでわざわざ新潟駅を経由する遠回りなルートに釈然としないものを感じながらも(当時は他の選択肢がありませんでしたので)帰省や帰京の際には渋々に“上越新幹線羽越線ルート”を利用しておりました。このように嘗ては“上越新幹線&羽越線ルート”は、(良きにせよ悪しきにせよ)首都圏と当地(庄内地方)を結ぶ大動脈でありました。今でも、年期を重ねた世代の方々や鶴岡市(※主に旧市内)の方々などの中には、このルートに郷愁や愛着を感じるらしく、未だに好んで利用されておられるようです。

 但し、利便性の高い「庄内空港」が開港してからは、当地(庄内地方に於けるこのルートの利用客は減少の一途を辿り、嘗て10往復程度の運行があった羽越線の特急列車である「いなほ」の運行本数は7往復に減り、編成も9両編成から6両編成へと減らされましたが、それでも明らかに供給過剰の状態にあり、空席が目ちます。

 一方、平成3年に開港した「庄内空港」の主力路線であるANAの「庄内⇔東京(羽田)便」はANA単独の運航路線であるが故、比較的に高額な運賃であるとされておりますが、その利便性の高さから常に高い搭乗率を維持しており、開港当初は1往復であった「庄内⇔東京(羽田)便」が、現在では「庄内空港」での夜間駐機も加わり、中型機も加わって1日に4往復が運航されております。


目の前に東日本の地図を拡げ、当地(庄内地方)から首都圏に向けて直線を引いてみた場合、その直線の延長線上には宮城県、福島県があり、北関東圏へと続きます。これと同調するように当地(庄内地方)からの空路や高速道路や鉄路(陸羽西線&新庄経由)の首都圏へ向けたルートも全てに於いてこれに沿うように合致します。それは,、これらのルートが最短ルートである論拠でもある所以でもありますが、周知の通り、日本列島、特に日本海側は大きく弓なりにカーブを描いております。羽越線もこの弓なりのカーブに沿ってレールが敷設されているので、一旦、緯度的には首都圏とは離れた方向(新潟駅)に向かいます。特に新発田駅から先は列車が更に大きくカーブを描いて新潟駅を目指すルートに為るのが乗車していても体感出来る程です。その後、ようやく新潟駅に到着したかと思えば、今度は新潟駅から直角に曲がって首都圏へと向かう上越新幹線のルートに為る訳ですが、このように極めて不自然なルートでもあります。前者のルートが三角形の斜辺であるとすれば、この「羽越線&上越新幹線ルート」は辺と辺の二辺に為ります。これを前提に考えると当地(庄内地方)から首都圏に向かうルートとして「羽越線&上越新幹線ルート」が如何に遠廻りで不自然なルートであるかが見えてきます。

秋田駅構内で撮影を行ったE653系の「いなほ」
〜嘗て、常磐線で使用されていた特急列車に改造を施して転用した車輌です。〜
「庄内空港」の開業に拠って、首都圏と当地(庄内地方)との移動手段の花形であった「上越新幹線&羽越線ルート」の利用者は激減しました。一方、山形新幹線などは開業当時から堅調な利用者を誇っており、運用されている400系も約15年と云う短い期間で新しいE3系(2000番台)への置き換えが終了しました。

対照的に利用者が低迷する「いなほ」は約40年も経過した古い車輌(485系)に補修や改造を繰り返して運行しておりましたが、遂に平成26年の3月の時刻改正と共に常磐線の特急列車で使用されていたE653系に改造を施した車輌が運行を開始しました。これに拠って、羽越線の利用者の微増に貢献しているようです。但し、現状、「庄内⇔東京便」の威力には太刀打ち出来ない状況が続いております。

嘗て「いなほ」「庄内空港」「山形新幹線」が世に出る前までは恒常的に当地(庄内地方)からの乗客で混雑を極め、特に上り列車は当地(庄内地方)からの乗客が占め、自由席は常に満席の状態で村上駅新発田駅から乗車される方々に対して心苦しく思ったものでしたが、今ではこの問題も解消された模様であり、それらの駅から乗車しても自由席に座れるように為ってきました。
 
 このような理由から当地(庄内地方)から首都圏を目指すルートとして“上越新幹線&羽越線ルート”は存在意義が薄れた“旧ルート”と捉えられております。但し、このルートが長きに渡って当地(庄内地方)と首都圏を繋ぐルートとして君臨してきたが故、稀に自動車などで当地(庄内地方)にお越しに為る方の中に“関越自動車道&R7”をご利用される方が居られますが、このルートを利用された場合は首都圏から当地(庄内地方)まで約7〜8時間を要してしまいます。一方、“東北自動車道&山形自動車道&R112”を利用すれば5〜6時間で到達出来ます。これらの事からも新潟を経由するルートが如何に遠回りであるかが分かります。尚、群馬県の高崎市辺りまでであれば、栃木県の佐野市近辺から東北道に入るのがベストです。

 羽越線の紹介などで使用される写真は列車が風光明媚な日本海に沿った笹川流れと称されるエリアを走行している写真が用いられます。穏やかな陽射しの中、綺麗な海岸線を縫うように走行する列車の写真は実に魅力的な構図ではあります。但し、
海岸線を縫うように走行すると云うことはカーブが多いことを意味しており、このような状況を専門用語では“線形が悪い”と表現されます。これが羽越線の高速化を阻む大きな要因とされております。これに対して線形を改造したり、カント調整工事を行ったり、或いは建設されたものの放置されている羽越線のトンネルなどを使用するように為れば“海沿いを走行する風光明媚な羽越線”と云う謳い文句とは矛盾したルートを走行してしまうことに為ると同時にその路線に線路を敷設したり架線を張ったりと新たな工事費が発生してしまいます。又、気象に於いては“冬の日本海”のイメージ通り、冬期間は日本海側からの暴風雪が容赦なく叩きつけますので、日常的にダイヤの乱れが発生しております。更に平野部に於いては庄内平野を突き抜ける猛烈な地吹雪が頻繁に発生します。これが原因で発生した羽越線の脱線事故は記憶に新しいところですが、このように羽越線の沿線は地理的なマイナス要因と気象条件の特異性から高速走行が極めて困難とされているルートでもあります。加えて羽越線は全区間の凡そ半分に渡ってが単線区間であり、実の処、この単線区間の比率の大きさが羽越線の高速化を阻む根本的な問題であるとされております。

 このような“デッドセクション”の存在をよくご理解されておられない方は“羽越線に新型の振り子式列車を導入すべき!”と声高に叫んでおりますが、“デッドセクション”を前提に羽越線を走行する列車(電車)を考察してみた場合、“デッドセクション”の区間を走行するが故に“交直両用型の振り子式列車(電車)”が必要とされます。又、振り子電車には相応の遠心力が発生する為に線路の基盤の整備(カント調整工事など)や新たにトンネルを削らなければ為らない等々…多額のコストが発生します。

 因みに「交直両用型の振り子式列車(電車)」などと云うものはこの世に存在しておりません。技術的にはこのような車輌を新造することは日本の鉄道技術からすれば難なく可能なことであると思われますが、そこには多額の資金が必要とされるのは明白であり、仮にこのような車輌を導入しても利用者が増加に転じると云う確たる保証の無い羽越線をJRは重要視していないように見受けられます。

 以上の理由から「新潟駅の橋上化に伴う「いなほ」の新幹線ホームへの乗り入れ」が最終的に落ち着いた結論のようではありますが、このようにして目一杯頑張っても10〜20分の短縮が限界とされております。但し、これらが全て実行されたとしても近い将来に上越新幹線が2014年問題の影響を受け、本数が減らされれば停車駅の多い「とき」が増え、いくら羽越線が高速化されても“上越新幹線&羽越線ルート”に於ける「首都圏⇔当地庄内地方」の所要時間の短縮は極めて困難に為るかもしれません。

 何よりもこれらの改善策を以てしても最大の利用者が期待される当地(庄内地方)の利用者が、既に好調な「庄内⇔東京(羽田)便」や「山形新幹線」の選択肢があるのを蹴って、嘗てのように「上越新幹線&羽越線ルート」を利用するかは大きな疑問とされております。

「酒田駅→新津駅」の全区間電化区間を走行する
ディーゼルカー普通列車(828D・キハ40系

〜鶴岡市藤島(旧藤島町)の藤島駅構内にて撮影〜
時刻表に記載されている列車番号は828D、末尾のDの文字はディーゼルカーであることを意味しており、下一桁が偶数であるのは上り列車であることを意味しております。左記の“デッドセクション”の関係上、採算性の低い羽越線に於いては高価な普通列車仕様の交直両用型電車は投入されませんので「新津駅⇔酒田駅」が全区間に渡って電化区間であるにも関わらず、電車に比べて加減速の鈍いディーゼルカーが(やむを得ず)運用されております。特急列車でさえ30年以上も前の車輌に補修を加えながら運用しておりますので、到底、普通列車などに交直両用型の車輌を投入出来ないのも頷けます。


 さて、近年まで山形県では
「羽越新幹線」を望んでおりましたが、現在は「在来線の高速化&新潟駅の橋上化に伴って行われる羽越線の上越新幹線ホームへの乗り入れ」という妥協案に落ち着きました。これらの一連の工事費用としては約二百億円規模の工事に為ると予想されており、その資金は沿線の自治体や沿線の県(新潟県、山形県、秋田県)などが税金を分担で投入し合って工事費の捻出を行い、その工事資金の全額をJRに対して無利子で貸し出し、その後、数10年に渡って返済をさせる…と云う手法を採用することに為るとされております。因みにその二百億円の工事費と引き換えに短縮出来る時間は僅か16分であると試算されております。これに対して当地(庄内地方)では、殆ど採算性の見込まれない財政支出に疑問を持つ人が多いように思われます。出所は異なっても大元を辿ってゆけば全てが“税金”に行き着く訳ですから、一連の羽越線の高速化事業よりも「日本海東北自動車道(日本海沿岸自動車道)」の全線開通に重点を置いた方が遥かに経済面では効率的とされております。

 一連の羽越腺の高速化や機能強化に関して新潟県が割と積極的に肩入れしている根底には「自県の下越地方の振興策」や「羽越線沿線との交流の促進」と云う大義名分よりも、数年後に長野から先の北陸新幹線が開通するとにとって東京駅へ直通する上越新幹線の本数が減らされる
「2014年問題」に危機感を募らせていることに端を発しており、それに伴う新潟県の地位低下を少しでも回避する為に「庄内⇔東京(羽田)便」や「山形新幹線」に流れてしまった当地(庄内地方の利用者を呼び戻そうとしている…とされております。但し、過去に於いて「中越地震」に因って“上越新幹線&羽越線ルート”は長らく不通であった時期が有りましたが、当地(庄内地方)には全くの影響がありませんでした。むしろ「庄内⇔東京便」に新潟県の下越地方の利用者が加わって混雑を極めていた位でした…。このような事からも、今後、当地(庄内地方と新潟圏の交通手段は首都圏とのルートとしての存在感は薄らいでおりますので日本海沿岸自動車道の整備に伴って、現在の「鶴岡・酒田⇔仙台」のように高速バスが「鶴岡・酒田⇔新潟」などの区間を走行を行い、都市間の輸送のみに専念するように為るのが妥当であるとされております但し、上記のような事態を憂慮している新潟県は、羽越線の高速化や整備などの“名目”を当地(庄内地方と秋田県の沿岸地域に提示して積極的に運動を盛り上げるようにと展開しております


山形新幹線の終点の新庄駅
「山形新幹線」経由でお越しの場合、「新庄駅」から陸羽西線に乗り換えて約30〜40分、途中の「狩川駅」で下車をされ、そこからタクシーで約20分で羽黒山頂に到着します(※別途有料道路料金400円が発生します)。この際、事前に「狩川駅」への到着時刻をタクシー会社の「羽黒中央交通(пD0235−62−2260)」に伝えておいた方が無難でしょう一部の旅行案内誌などでは…

「狩川駅」の先にある
「余目駅」から羽越線に乗り換えて「鶴岡駅」へ向かい、そこから路線バスで羽黒山頂へ〜♪

などと紹介されておりますが、これは間違いです。実は「余目駅」から羽越線に乗り換える際、羽越線も田舎のローカル線であるが故に列車の運行本数が少なく、場合に拠っては「余目駅」で1〜2時間も待たなければ為らないケースもあり得ます。結局、余目駅を経由してしまうと2〜3時間時間前後のロスタイムが発生します。


鶴岡市に見所が無い訳ではありませんが、ルート的には先ず最初に羽黒山をご参拝されることをお奨め致します。
 陸羽西線の「古口⇔清川」の区間の線形が悪いものの、当地(庄内地方)の地理的な中心地である庄内町の「余目駅」まで山形新幹線を「新庄駅」から延伸するのが最も妥当とされておりますが…

★「羽越線の高速化を望む鶴岡市と山形新幹線の延伸を望む酒田市、何かにつけて対立する鶴岡市と酒田市の根深い確執構造」

★「当地(庄内地方選出の国会議員(衆議院議員)の出身地が鶴岡市の旧市内であることから、その主たる支持組織が羽越線の高速化を最も望んでる層の厚い鶴岡市の旧市内を中心に存在」

…等々の状況が複雑に絡んでおります。何かにつけて庄内の地の覇権争いで敵対する鶴岡市と酒田市に於いて、羽越線の高速化を強く支持する鶴岡の旧市内の方々は、「山形新幹線の庄内延伸」に関して“鶴岡市圏内からわざわざ余目駅まで行くのが面倒!。”と批判を行い、一方、酒田市中心部(旧酒田市内)の方々は“余目駅までではなく酒田駅まで延伸すべき!”…と双方ともに譲らず、その折衷案として「羽越線の高速化」に行き着いたようとも評されております

 《地方に於ける高速交通網の整備》とは、その地域のエゴや政治家に強く左右され、ともすると最も合理的な方法があるのにその偏った主張に因って結果的に“費用対効果”の低い選択肢が選択されるものがあると謂われておりますが、当地(庄内地方)の対首都圏との鉄路に於ける輸送手段である「上越新幹線&羽越線ルート」などへの固執などは将にその典型的な事例であると謂えるでしょう。


 因みに「羽越線の高速化」に関するデータとして、手元に「実キロ」のデータがありませんので「営業キロ」ベースでの話に為りますが、「新発田⇔新潟:27.3q」、「新潟⇔長岡:63.3q」の「27.3q+63.3q=90.6q」、この“90.6q”にも渡る無駄なルートを通らずに「新発田⇔長岡」の“74.1q”のルートを通れば「90.6q−74.1q=16.5q」、つまり、新発田駅から真っ直ぐに長岡駅に向かえば16.5qも近道に為ります
 
羽越線のエリアでの誘客資源を敢えて挙げるとすれば“月岡温泉”“瀬波温泉”でしょうか。これらの温泉と「夕陽」、「刺身」、「自然」、更に近年はこれに「新発田市に復元した新発田城」、「村上市内の城下町(?)」を加え、本格的に首都圏からの誘客を恒常的に得る…と、見込んでいるようですが、厳しいように思われます。
2014年に長野新幹線が現在の終点である「長野駅」から「金沢駅」まで延伸することに端を発している「2014年問題」既に東北新幹線は「新青森駅」まで延伸され、2016年には「新函館駅」まで延伸の予定であります。金沢市、青森市、函館市には全国的にも名の通った誘客資源(景勝地、誘客行事、参拝地)があります。これに引き替え、残念ながら新潟市や新潟市圏内にはこれといった全国的に知名度の高い誘客資源が見受けられないようにも思われます。周知の通り、「東京駅」の新幹線ホームは2面4線しかありませんので、日々、分刻みで列車が発着している現状を鑑(かんが)みるにつけ、又、「東京駅⇔大宮駅」の新幹線の運行本数が沿線住民との協議から1時間に上下線合わせて24本までと決められている現状をも加味すると乗車率の高い列車を効率的に発着させる方向でJRが検討するでしょう。拠って、東北、長野、秋田、山形の新幹線よりも乗車率が低いとされる上越新幹線、この先、北陸新幹線の開通後の上越新幹線は本数が減らされたり、殆どが各駅停車に為るとされております。

 今後、上越新幹線は「高崎駅が上越新幹線の始発着駅」とか「山形新幹線」のように他の新幹線車両(※この場合は北陸新幹線)と伴結運転を行って高崎駅で分離後に新潟方面へ向かうように為る…」と云うことは、あながち絵空事では無いでしょう。このようにして「東京駅」へ直結の上越新幹線の本数が減らされれば、前述のように、新幹線はより多くの乗客を拾う為に沿線の多くの駅に停車するようにもなりますから必然的に上越新幹線の平均スピードは遅くなり、結果的に大きなタイムロスへと繋がかもしれません。

 嘗て上越新幹線が開通する以前は秋田駅を始発駅としてを経由して上野駅へと向かう「いなほ」は3往復が運行されておりました。管理人が幼少期であった頃の記憶を辿れば当時の「いなほ」は12両編成で中間に食堂車も伴結していたように覚えております。その当時の「いなほ」の運行ルートは現状のように新潟駅を経由せずに新発田駅から長岡駅へと向かい、一路、上野駅を目指すルートでありました。これが上越新幹線の開通と同時に何故か「いなほ」は首都圏に向かうには逆方向である新潟駅へと向かうルートに変更に為ってしまい、現在に至っております。本来、最短ルートを考えれば新発田駅から長岡駅へと向かうルートです。

 
「新潟圏と庄内地方の交流の促進の為にも羽越線の高速化や整備は促進すべきである。」とおっしゃる方も居られますが、当地(庄内地方)に於いて新潟市を含む中越地区の位置づけはビジネス面でもレジャーや買い物などの観点からもその対象にはありません。実は当方でも新潟市の業者との取り引きはあるのですが、同様な業者は仙台圏にもありますので、仮にその業者が消滅したとしても特に業務に支障はありません。当地(庄内地方)の人の流れの絶対数は「山形市>仙台市>東京都>その他(新潟市を含む)」と謂われております。又、当地(庄内地方)に於ける殆ど全ての業界の会議、会合、研修会、講習会などの会場は仙台市で開催されます。このような背景がありますので当地(庄内地方)から途中の山形市に立ち寄らないでダイレクトに仙台市へと向かう高速バスは朝から晩まで約1時間の運行間隔で16往復/日の高速バス(「本荘・酒田・鶴岡⇔仙台」)、山形市との間には約1〜1.5時間の運行間隔で10往復/日の高速バス(酒田・鶴岡⇔山形)が運行されており、それに向けてのアクセスの要である高速道路も既に完成されております。

 この高速バスを利用して週末や休日などに当地(庄内地方)から仙台市(仙台圏)に買い物やレジャーなどで出掛ける女性が多いようで、これを仙台圏の方々は「庄内ガールズ」と揶揄しております。これは在京の方々が地方から上京して来る人を「お上りさん」と揶揄されますが、ほぼそれに近い意味合いかと思われます。

 当地(庄内地方)から仙台市、新潟市までの距離、そこに至るまでの公共の輸送機関の運賃は、ほぼ同様、同額と思われるのですが、地方都市に於いて、その都市機能はほぼ人口に比例するとされておりますが、それを前提に考察してみた場合、新潟市のコアな部分の人口は約40万人、仙台市のコアな部分の人口は約80万人、つまり、新潟市は仙台市と比較して半分程度の規模の街であると謂われております。故に当地(庄内地方から週末や休日に敢えて新潟市に出掛ける人は稀有です。拠って、
当地(庄内地方は新潟圏の経済下には属しておりませんので、例えば
6両編成の特急列車を1日に7往復も新潟圏との間と運行するに見合うだけの需要は存在しえません。

発車を待つ仙台行きの高速バス(要予約)

「鶴岡エスモール」にある「バスセンター」にて撮影〜

「仙台への高速バス」は庄内交通、宮城交通、山形交通、羽後交通の四社が共同運行しております。この路線は「本荘・酒田・鶴岡⇔寒河江SA・仙台」が3往復、「酒田・鶴岡⇔寒河江SA・仙台」が13往復、合計16往復が当地(庄内地方)と杜の都・仙台との間を運行しております。但し、上記の「鶴岡エスモール」に併設してある「バスセンター」に乗り入れるのは、その内の11往復と為っております。鶴岡方面から路線バスにて宮下坊、羽黒山、月山8合目にお越しに為られる方は充分にご確認の上でご利用下さい。

写真は7:50発の仙台行きの山形交通の高速バス、仙台駅前には10:25に到着します。運賃は往復割引での片道運賃が2,700円、片道のみであれば3,100円に為ります。尚、全車が予約制でトイレを装備しております。



 何れにせよ、当地(庄内地方の民意としては『今更に羽越線を云々しても飛行機があるしね…。』と云う声が聞こえてきますが、不思議な事に地元(…のマスコミ)では、このような声は全く報道されません。前述のように当地(庄内地方から首都圏へのルートとして、今や
“羽越線&上越新幹線ルート”過去の選択肢へと移行しつつ有
ります。
このように庄内地方のアクセスの特筆すべき事項として「庄内空港」の存在があります。庄内地方は人口を約30万人を擁していることから一日に平均で約1,000〜1,500人もの人達が庄内地方を利用して首都圏とを往来していると云う現状があります。これを知らずして新潟圏の方々は「羽越線の利用者の激減⇒当地(庄内地方)の経済の停滞」と連想されるのかもしれません。新潟圏の方々は『上越新幹線や羽越線の利用者が減ったのではなくて山形県の庄内地方の経済が停滞したので利用者が減ったのでは?…。』と、思われているかもしれませんが、それは全くの見当違いです。当地(庄内地方)と首都圏との交流は「庄内⇔東京(羽田)便」が4往復も就航中の上、夜間駐機も行われており、以前にも増して活発に交流が為されております。隣県の秋田県の「秋田空港」で「秋田⇔東京(羽田)便」が夜間駐機が行われるように為るまでに路線開設から30年の月日を要しましたが、「庄内⇔東京(羽田)便」は路線開設から10年程度ででの夜間駐機が実施されました。搭乗率が全国でも屈指の「庄内⇔東京(羽田)便」であるからこそ早期に夜間駐機が実行に移されたのでしょう。しかもその多くが不安定な観光需要ではなく、安定的な個人利用や当地庄内地方に進出してきた工場関係者や大学関係者の出張のようなビジネス利用が多いのが特徴です。これはメイン路線である「庄内⇔東京(羽田)便」を運航しているANAにとって観光主体路線のようなツアーパッケージに於ける団体割引航空券に頼る比率を低く抑える事が可能であることを意味しており、収益性の高い路線でもあることを意味しております。このような背景がありますので羽越線への設備投資を行うよりも“費用対効果”を考えるならば「日本海東北自動車道(日本海沿岸東北自動車道)」を早期に全線開通させる事を望んでいる人が多いのが事実です。この先、羽越線が整備促進(&高速化)されたとしても、「庄内空港」と「山形新幹線」の前に、一連の羽越線の整備に投資される金額に見合うだけ“羽越線&上越新幹線ルート”の利用者が増える事は困難を極めるでしょう。


鉄道ルートにおける一考察(山形新幹線編)
新庄駅での山形新幹線(手前)と陸羽西線の普通列車(奧)

「アクセスのページ」の「山形新幹線ルート」の箇所でも紹介しておりますが、山形新幹線の終着駅である新庄駅からは宮下坊への最寄りの駅である狩川駅(かりかわえき)まで陸羽西線(りくうさいせん)に乗り換えなければなりませんが、新庄駅では陸羽西線(※奧に写っている列車)と山形新幹線(※手前に写っている列車)の乗り換えが左記の写真からも分かるとおり、大変にスムーズに出来ます。これに習って羽越線の特急列車も同様の方式で直接に新潟駅の上越新幹線のホームに乗り込む計画がありますが、肝心の利用者が少ない為に実現の見通しは厳しいとされております。因みに羽越線の特急列車は7往復の運行体制ですが、山形新幹線は「東京⇔山形」の区間で18往復(※金曜日と日曜日に2往復増発されるぶんを含む)の運行体制が敷かれております。尚、山形駅と新庄駅との区間についてはその内の10往復が運行されておりますので大変に便利です。

山形新幹線は「福島⇔山形・新庄」の区間に於いて在来線を走行するので『遅い…!。』とご不満に思われる方も居られるようですが、少なくとも羽越線の特急列車よりはスピードが出ており、「板谷峠」のような急勾配が連続する区間は緩やかな速度で通過しますが、その他の平野部の区間では100q以上の速度を維持しながら走行しているように思われます。

《西川バスストップ》
月山スキー場のリフトを使って姥沢へ下山される方
※「西川町営バス」にご乗車に為って「西川バスストップ(※下記の写真です)」までご移動の下さい。
                                            (
「姥沢→西川バスストップ」の運賃は500円です)
「仙台行き(要予約)」、「山形駅前行き」のバスの乗り場へと通じるトンネルとそのバス停の写真です、トンネルを約20メートルほど歩いたところに高速道路上のバス停(上り線)に着きます。
「鶴岡行き(一部要予約)」、「酒田行き(一部要予約)のバスの乗り場へと通じる通路です、左手前の看板の後ろの坂道を約20メートル歩いて登った先に高速道路上のバス停(下り線)に着きます。
上記の双方の写真の上の部分が「山形自動車道」です。
※高速バスの予約、乗車に関しては「庄内交通」まで「○月×日に西川バスストップから○△時□◇分発の○○行きの高速バスに乗る予定なのですが…。」という内容でお問い合わせ下さい(鶴岡・エスモール高速バス予約センター:0235−24ー5333)。




《羽越線(白新線)の新潟駅に於ける橋上化》
 平成20年11月20日(木)に(酒田市以外の)羽越線の沿線自治体の首長等が出席して鶴岡市内のグランドエル・サンにて“羽越線高速化シンポジウム”が開催されましたが、この際に酒田市長が参加しなかったのは“新庄駅から山形新幹線を陸羽西線経由で延伸する案”を支持しているからであると思われます。上記のチラシはこのシンポジウムの際に配布された羽越線(白新線)の新潟駅に於ける橋上化…に伴う上越新幹線ホームへの乗り換えの説明図です。

 ご覧のように、上越新幹線の車輌の横に羽越線(白新線)の特急列車が横付けをして乗り換えをスムーズにする…と云う方法のようですが、よく見てみると在来線のホームが3面5線、上越新幹線のホームも3面5線ある事が分かります。今まで下部にあるイラストしか発表されておりませんでしたので、誰もが『同じホームで乗り換えが出来るように為る!。』と期待をされていた事と思われますが、実際、それは大変に幸運な場合の話で、新潟駅には羽越線(白新線)の他に越後線や信越本線も出ており、羽越線(白新線)で庄内方面に向かう特急列車(「いなほ」)と同様に金沢方面に向かう特急列車(「北越」)も発着しております。これらの列車が全てこのエリアに集中する事も意味しております。

 仮に羽越線(白新線)の特急列車を最優先でこの“貴重な唯一の対面乗り換えのホーム”に横付けをしたとしても新潟駅を発車する下りの「いなほ」と新潟駅に到着する上りの「いなほ」の時間が接近していた場合、結局、何れかの一方は“貴重な唯一の対面乗り換えのホーム”は利用出来ずに隣のホームを利用せざるを得ないように為ってしまうのは自明の理です。

 これは上越新幹線のホームにしても同様で、上越新幹線にしても羽越線(白新線)に接続する全ての列車が“貴重な唯一の対面乗り換えのホーム”に横付け出来るとは限りません。実際、新潟駅を起点に北陸方面に向かう特急列車の「北越」にも“貴重な唯一の対面乗り換えのホーム”が割り振りをされるでしょう。

 とはいえ、新潟駅に於いて在来線のホームが橋上化されれば従来よりも歩行距離は短く為るのは確かです。但し、歩行距離が短く為るとはいえ、多くのケースに於いて従来通りにホームを上り下りをする必要性が発生するのは明白であり、更にその乗り換えはチラシにも説明してあるように“僅か5分”と云う短さです。

 ご年輩の方々や身障者の方々は健常者に遠慮をされ、列車が目的地に到着した時に最後に車輌を降りられる傾向にあるように見受けられます。恐らくホームにはエレベーターも設置されるのでしょうが、それを加味しても僅か5分と云う短い時間でホームの上り下りをしなければ為らないとするのであれば、この新しい新潟駅のホームはご年輩の方々や身障者の方々には極めて厳しいホームであると謂えます。JR東日本・新潟支社は「(ご年輩の方々や身障者の方々は)上りの場合、一本遅らせた上越新幹線にお乗り下さい。」とか「(ご年輩の方々や身障者の方々は)下りの場合、一本早めの上越新幹線にお乗り下さい。」とでも表明するつもりなのでしょうか?。東北新幹線などと比較して、ただでさえ停車駅が多く、本数も少ない上越新幹線は「東京⇔新潟間」が2時間〜2時間30分も要しますので、例えば1本早い上越新幹線で東京駅を発とうと思ったものの、これらの条件に因って1〜2時間も早い時間に東京駅を発たなければ為らないようなケースも容易に想定されます。これは当地(庄内地方の利用者にとっては大変に酷な事であります。

 又、新潟駅に於いて在来線を橋上化にしても羽越線(白新線)に発着する全ての特急列車が“貴重な唯一の対面乗り換えのホーム”を利用出来ると云う確たる保証はありません。恐らく…その割合は良くて半分程度に為るでしょう。加えて2014年の北陸新幹線の開通以降の上越新幹線の地位低下は避けられないとされており、その減便に伴う停車駅の増加…これは表定速度の低下に伴う「新潟⇔東京間」の到達時間の延長に繋がります。又、究極的に上越新幹線は大宮、高崎発着に為る可能性もあると謂われております。

 羽越線(白新線)に於いても“新潟駅の橋上化が完成したら東京⇔鶴岡間が3時間43分!”などと謳っております。但し、それは何往復かある内の1〜2往復程度の話であり、その際に接続する上越新幹線の停車駅は長岡程度にしか停車しないタイプです。実際、羽越線(白新線)の特急列車である「いなほ」に接続する全ての上越新幹線をそのようなタイプにする事は不可能な事で、その他の多くに接続する上越新幹線は長岡の他にも燕三条、越後湯沢、高崎などにも停車をする緩行タイプに為るでしょう。ましてや2014年問題を控え、場合に拠っては上越新幹線の運行本数の減便化、緩行化が囁かれておりますので、結果として「鶴岡⇔東京間」は従来と変わらず、4時間10〜20分を要するでしょう。加えて、在来線(白新線&羽越線)に於いては旧態依然として豊栄、中条、坂町、府屋などのように乗降客が数える程度しか居ないような小駅にも停車するでしょう。そのように為れば巨額の費用が投じられる新潟駅の在来線の橋上化工事、更には羽越線の高速化工事などに拠って切り詰めて行う到達時間の短縮も無意味に近い状態に為ります。

 新潟駅に於ける在来線と新幹線の乗り換えは完成当初は物珍しさで一定の利用者増は見込めると思われますが、やがては“使い勝手が悪い”などと酷評され、
当地(庄内地方から鉄路での上京ルートとしての羽越線(白新線)の利用者離れには更なる加速が付き、鉄路での上京の際、少なくとも当地(庄内地方)の人々は今まで以上に山形新幹線を選択する事に為るかもしれません。そうなれば巨費を投じる新潟駅に於ける在来線の橋上化や一連の羽越線の高速化事業は水泡に帰す危険性を孕んでおります。同程度の投資を行うのであれば、庄内町狩川地区から新庄方向に向けてのR47を地域高規格道路として整備を行い、早期に完成させた方が当地(庄内地方にとってのメリットは大きいとされております。

 当地(庄内地方)に於ける羽越線の特急列車の平均乗車率が27〜28lとされておりますが、如何に羽越線の利用者離れが加速しているかを如実に物語っているようにも見受けられます。


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